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国民皆保険を見直すと本当に菅総理は言ったのか?

久々で恐縮ですが結構今回は頭にきています。

twitterでこんなtweetが流れてきていたんです。

菅総理国民皆保険を見直すと言っている!やっぱりこいつはダメだ!!」

tweetは何千RTもされ、賛同者が次々と集まります。

 

私も当然びっくりしました。

国民皆保険無くなったら困る人いっぱい出るやん!!どうすんねん!!!

で、元ソースを探す旅に出ました。一番現実に近いのはハフポストさんのこの記事。

 

www.huffingtonpost.jp

以下核心部分の引用です。神保氏は質問者の方です。

神保氏:日本は人口あたりの病床数は世界一多い国ですよね。感染者数はアメリカの100分の1くらい(編註:実際には75分の1程度)。それが医療が逼迫して、緊急事態を迎えているという状況の総理の説明が、単に医療の体制が違う…ということで、果たしていいのでしょうか。体制を作っているのは政治じゃないですか。政治が法制度を変えれば、変えられるじゃないでしょうか。そこで質問です。もうすぐ国会が始まりますが、たとえば医療法によって病床の転換を病院にお願いするしかない状況ですが、医療法の改正は政府のアジェンダに入ってないのでしょうか。同じく感染症法の改正。これも、コロナが当初どういう病気か分かんない状態で(結核SARSと同じく)2類感染症相当になっている。非常に軽症者でも厳重に扱わなくてはいけない。その2つの法律を改正されるおつもりがあるのかお伺いします。

 

菅首相:コロナ感染者の医療について、政府として対応している医療機関に対してしっかり支援をさせていただいたりですね。あるいは保健所への人員の派遣。そうした態勢をつくったり、クラスターが発生すると政府のチームがそこに行って対応するなど、そうしたことを政府は行ってきました。医療機関でありますけど、日本には今の法律がある中で、逼迫状況にならないように、ベッドは数多くありますから、それぞれの民間病院に一定程度出してほしいとか働き掛けをずっと行ってきたのも事実であります。感染症法については先ほど申し上げましたように、(必要であれば)法律改正を行うわけですから、医療法についても今のままでいいのかどうか。国民皆保険、そして多くの皆さんが診察を受けられる今の仕組みを続けて行く中で、今回のコロナがあって、そうしたことも含めて、もう一度検証していく必要はあると思っています。それによって必要であれば、改正するのは当然のことだと思います。

 

ここで、神保氏が前提としている背景にはこちらの記事があると思われます。

toyokeizai.net

ざっくり説明すると現在の医療法では『コロナのために病床を用意しろ』と民間の病院に指示・命令を下すことはできず、あくまでお願いベースになってしまうため、様々な事情から断る院も多く、日本全体の病床数の割にコロナに割ける病床数が少ない。一方、公立の病院には自治体の要請に強い強制力が働くため、そうした病院にコロナ患者が集中し、負担が重くなることで、医療崩壊を招くのではないか、という記事です。

 

この記事自体の妥当性については今回は議論しませんが、こうした背景を前提に神保氏は医療崩壊を防ぐために、医療法を改正して、政府がより広く病床確保できるようにする、もしくは現在の厳重なコロナの扱いを変え、広く医療施設で取り扱えるようにするべきではないか、と聞いているように見えます。

 

一方の菅首相ですが、お願いベースで民間医療施設にも頼んできた事実は政府としてあり、その上でこの状況が続くようだと,そうした医療法、感染症法の改正は検討しなければならないと言っているわけです。

 

確かに『国民皆保険』というワードが出てきますが、この文脈にそって考えれば『誰でも平等に診察を受けることの出来る日本の医療制度や国民皆保険を続ける前提の中で、医療崩壊が起これば、トリアージなども考えられる。そんな中、コロナにどう対応するか、検討しなければならない』と言っていると見るのがよいかな、と。

 

こんな深刻化する前に、先に検討しとかなかったんかい、とか思わないでもないですが、とにかく、国民皆保険を無くす議論はされていないと見るのが妥当かと考えます。

 

さて、そう考えた時に、国民皆保険が無くなるかも!と騒ぐのはあまりに拙速だと、個人的には思いますがどうでしょうか。

 

最近本当にうんざりしているのですが、多くの人が物事やニュースを見たいようにしか見ませんし、なんなら、見たいものしか見ないとすら言えます。

これは思い切り、情報は探さなきゃ見つからない、ネット社会の弊害だと個人的には思っています。

 

さらに輪をかけてうんざりするのは、一部の悪意の塊の方々は、菅首相チョンボする(日本が悪い方向に行く)のを今か今かと待ち構え

実際に起こればそれ見たことか、と騒ぎたてるわけです。

 

これは悪いことが起こるのを期待する最悪のムーブだと思っていますが、実際そういう方が非常に多く正直うんざりしています。

 

 

そもそも、自粛しろと言われてんのに、箱根に応援に来るわ、初詣に来るわ、クリスマスは都市街ごった返すわ、と正直国民側にも相当問題あるのも実情です。

 

政府の対応が遅いからこうなった、政府のコロナに対する理解が低いからこうなった、確かにそういう部分も多いにあると思いますが、だからと言って、批判のために見切り発車で騒ぎ立て、無駄な扇動する大義名分にはなり得ません。

 

批判されうることはきちんと批判する必要がありますが、何でも批判すればいいと言うような世界線に少し疲れてきています。